留学生の不調に気づいたら
身近に接している指導教員が、学生の変化にいち早く気づくかもしれません。学生との関係が良好なら、その関係性をテコに、学生をリソースや適切な相談機関に繋げることができるでしょう。初期の不調のサインには以下のようなものがあります。
- 遅刻や欠席が増える
- 成績が落ちる
- 口数が減ったり、元気がなくなったように見える
- ミスが増える
- 上の空だったり、集中していないように見える
- なぜか攻撃性が増した
修学、進路、人間関係、性格、文化適応などで困っているように見える留学生がいたら、早めに相談室を利用するようご指導ください。
来談を勧める際の留意点
留学生に、相談室への来談を勧める際は、臨床心理の専門的知見を持つカウンセラーが、留学生の話しを聞いて一緒に問題の解決策を考えてくれること、学生が相談室を利用することは「普通」である(恥ずかしいことではない)こと、留学生のプライバシーと相談内容は守秘義務によって守られることをお伝えください。また、留学生が同意すれば、留学生と一緒に来談していただくことも可能です。
叱るのは逆効果な場合も
もし一見防衛的に見える場合でも、留学生は内心非常に落ち込んでいたり不安でいたりすることがありますので、一方的に叱るのは逆効果です。落ち着いた声のトーンで話す方が、留学生にとっては聞き入れやすいと言えます。
来談を拒む場合
一部の留学生は、本国に「送り返されること」や「先生をがっかりさせること」を極度に恐れる傾向にあります。もし留学生が、かたくなに来談を拒むようなら、「自分に問題のあることを認めてしまったら国に送り返されるのではないか、先生に悪く思われるのではないか」と誤解していないか一度確認していただくといいかもしれません。
留学生の訴えに添うように
教職員のみなさんが、留学生の変化に気づき、状況を心配していることを率直に伝えてください。例えば、「最近授業を休むことが多くなったし、笑顔が見られなくなり、様子が変わったと感じるので心配している」など観察できる具体的な変化を伝えてみます。そして、留学生が「眠れない」「集中できない」などの症状について触れた場合は、「眠れないのはとても辛いことなので、そのことを話しに相談室に行きませんか」と、留学生の訴えに沿う流れで相談機関への来談を勧めると、来談に前向きになることがあるようです。
周囲の人の対応方法
留学生が来談を迷っている場合は、教職員が一緒に相談室に行くことを提案すると、来談を選択する留学生もいます。
留学生対応について、カウンセラーから助言を得たい場合は、コンサルテーションの予約ができますのでご利用ください。
関連情報
厚生労働省が、身近な人の心のサインに気づき、自殺を防止するための取り組みの一環として、様々な教材を提供しています。教職員が、落ち込んでいる学生に対して来談を勧めるときの参考になるビデオやテキストが見られます。
お役立ち情報
留学生相談室のお役立ち情報では、文化適応に関する情報や留学生の生活支援に役立つリンク集などを公開しています。留学生への支援や、留学生の体験をご理解いただくためにご活用ください。